管理栄養士パプリカン

こんにちは管理栄養士パプリカンです☆管理栄養士や栄養士について書くことが多いですが、ヘルスケアやスポーツ、保育や福祉関連も触れています。たまにグルメやアート☆どうぞよろしくお願いいたします(^-^)

足に穴が開いている…低栄養と褥瘡のお話し

<目次>

入院中のおじいちゃんの足に穴があいていた。。

「まさかおじいちゃんの足に穴が空いているとは・・・」この話だけ聞くとなんのことを言っているんだということになりますが・・・長時間人間が同じ姿勢で寝ていると、重力による体の重みと床(または布団)との圧迫で皮膚が炎症を起こし腐ってしまいます。特にお年寄りなどの免疫力が低下し栄養が不足している状態だと、この皮膚の炎症が酷くなり床ずれを起こしやすくなります。

 

今回、おじいちゃんの足に穴が空いていたのも、この床ずれによるものだと考えられます。また、医療用語ではこの床ずれの事を褥瘡(じょくそう)とよんでおり、病院や高齢者施設など寝たきりの患者が多くいる現場では、褥瘡が起きないように寝返りのサポートをしたり、クッションで圧迫を抑えるなど様々な工夫をしています。

 

そして、この褥瘡を予防し改善するために重要となるのが「適切な食事摂取」です。「食べることは生きること」と言われているように、皆さんが思っている以上に食事や栄養って大切なのです。

 

褥瘡になったら、何が怖い?

そもそも褥瘡(床ずれ)になると何がいけないのか?褥瘡とは上の写真のように、皮膚に炎症が起きることを言いますが、身体のなかでも体重の負荷がかかりやすい●びてい骨●かかと●骨盤付近には褥瘡ができやすく。褥瘡ができやすい箇所とそうでないところがあります。

 

褥瘡ができると、痛みを感じるだけでなく、傷口からバイ菌が侵入するとそこから感染症などを引き起こし免疫力の低い方だと死に至ることもあります。褥瘡もひどくなると、骨まで見えてくるようになるため重症化しないうちに頻繁に寝がえりをうたせたり、必要な栄養を十分に補給させる他、皮膚を清潔に保つなどの対策を行っています。

 

低栄養の人は褥瘡になりやすい

高齢者の低栄養の原因として、「胃や腸の消化機能の低下」「かむ力の衰え」「食べることへの興味の薄れ」などがあります。かむ力の衰えに関しては、入れ歯や差し歯など自分の歯で噛むことが難しいために「硬いものが食べられない」ことや「筋力の低下」によるものが考えられます。

 

食べることへの興味の薄れは、高齢に伴う「認知機能の低下」や1人で食事をするなどの「孤食」により食べ物への興味が持ちにくいと考えられます。こうした状態が続いていくと、「体重の減少」「皮膚の炎症」「転倒のリスクの増加」が起こります。

結果:体重が減少し→筋肉量や脂肪量が低下することで、横に寝た状態になると骨が皮膚を圧迫して皮膚に炎症がおき「床ずれ(褥瘡)」が起こりやすくなります。

 

 

低栄養になると起こりうる健康リスク

低栄養になると、体内のカルシウム量の低下により骨がもろく骨折しやすくなります。結果、骨折による寝たきりへとつながります。また、筋肉量の低下や運動能力の低下により転倒リスクが上がり、結果として転倒骨折による寝たきりの可能性が出てきます。

 

その他、ビタミン・ミネラル不足などによる免疫力の低下で感染症に感染し回復が難しくなると入院からの寝たきりなども考えられ、低血糖、集中力の低下、吐き気やめまいなどの症状も引き起こす可能性があります。寝たきりの状態になると必然的に褥瘡へのリスクも上がることから、まずは普段の食事や栄養補給から低栄養状態を防ぐ必要があります。

 

太りすぎよりも「痩せすぎの方が死亡率が高い。」

痩せている人は、太っている人よりも脂肪量や水分量が多くあります。そのため、脂肪や水分がクッションとなり褥瘡も起こりにくく低栄養にもなりにくいと言われています。

 

低栄養になりやすい人の特徴

①食べ物のの好き嫌いや、偏食をする人

②2人暮らしや一人暮らしの人

③油や卵などを過度に避けて食べない人

④がんや胃腸疾患、手術後、手術中、在宅酸素療養をしている人

⑤糖尿病、腎臓病食の人(体調不良時は、不良回復の食事を)

⑥下痢、発熱、風邪のあと(水分不足もある。ミネラルやエネルギーの補給を)

⑦うつ、認知機能の低下がある(食べることへの意欲の低下)

上記に該当する方は、低栄養になりやすいと考えられているので該当すると思う方は医師や周囲の人に相談し適切な栄養補給をする必要があります。

 

高齢者では低栄養と脱水が同時進行で起こる

もともと、体内の水分量が少ない高齢者では、低栄養の症状がおこると同時に脱水を起こしている場合が多くあります。というのも、一日に必要な水分のほとんどは食事からの摂取となるため、食事量が低下すると水分摂取も同時に低下していると考えられます。

 

高齢者の低栄養と脱水の症状

【低栄養の症状】

①やせてくる②褥瘡③皮膚の炎症④抜け毛⑤握力が弱い⑥感染症・風邪にかかりやすい⑦下肢やお腹がむくむ などがあります。

【脱水】

①口が乾く②唾液がべたべた③皮膚の乾燥や弾力の低下④食欲がない⑤よろける⑥元気がない などがあります。一見すると、「低栄養」も「褥瘡」も「脱水」もそれぞれ別の原因から来ているように思えますが、これらは密接に関係しており低栄養や脱水を防ぐためにも、その人に適した食事や栄養補給法を選択し適切な栄養補給をすることが重要となります。

 

NSTの役割(栄養サポートチーム)

最近では、食事や栄養補給の大切さが医療業界でも認められおり、医師や看護師の他、管理栄養士や言語聴覚士、薬剤師、理学療養士などの多職種で患者様の栄養面のサポートを行う「NSTサポートチーム」というチームが結成され、患者様1人1人の病態に適した栄養の摂取に奮闘しています。これは、AIではできないことなので、栄養士は今後も必要な職業として重要視されています。

 

若いうちから生活習慣には気を付けよう

子供の頃の食生活が大人になってからも大きく影響することから、最近では幼児や子供たちに向けた食育活動が盛んにおこなわれています。将来、カラダに穴が空かないよう、若いうちから「バランスの良い食事」と「適度な運動」と「十分な休養」から正しい食習慣を身に着けるようにしていきましょう。

バランスの良い食事や、正しい食習慣、適度な運動、十分な休養、などについてまた別の機会にカキカキしていきたいと思います。

 

お疲れ様でした。よし、夕飯食べよう(^-^)